八王子の景色   天野坂から枡形虎口へ                         [戻る]


天野坂を登り切ったところに遺構説明板が立っている。

それによると、この先で城道は左に直角に曲がり(枡形虎口)、
一段高くなった曲輪に上がって、右に折れて小宮曲輪の直下
を進んでいく、
枡形虎口を曲がらずに直進すると、そこに横たわる空堀に落
ちてしまうことになる。

右奥に見えるのが三の丸の壁で、その手前が幅広い空堀に
なっている。

















枡形虎口はこの段差を左屈折で上がる。

枡形虎口がある小曲輪を仮に「枡形曲輪」と呼ぶことにする。

枡形曲輪の手前は小宮曲輪を囲む空堀が行き止まりとなって、
この行き止まりの壁を登ることはできない。

また、枡形曲輪の手前の端には、櫓を設けて、天野坂から枡形
虎口へと回り込む城道を警戒していたことだろう。
この櫓は、直下の空堀に入り込む敵も警戒するもので、小宮曲
輪とは木橋で繋がっていたのではないだろうか。

枡形曲輪に入ると、小宮曲輪の壁の直下を通る城道である。
敵を近くに引き寄せて確実に狙おうとする意図が読み取れる。

に沿った
監視しては曲輪の壁、左は深い空堀を挟んで小宮曲輪の壁がそそり
立つ。

右手からの攻撃に空堀に逃げ込んだとしても、その先は行き止
まりになっていて、小宮曲輪からの攻撃にさらされることになる。

運よく、この坂道を通り抜けたとしても、その先にもいくつもの関
門が仕掛けられている。




天野坂から枡形虎口へ

大手口と思われる天野坂からの堀底道は、城兵が効果的に
攻撃ができるように工夫されている。小宮曲輪と三の丸の
間には枡形虎口(出入口)が設けられていた。(図の中で
復元)
攻めのぼる敵側にとっては大変な脅威にさらされる場所で、
侵入するのが難しかったと思われる。

設置年月日 平成24年3月 文責 滝山城跡群・自然と歴史を守る会
                   東京都西部公園緑地事務所 
                   小宮公園サービスセンター)
(遺構説明板より)


絵と解説を交えたこの解説板は滝山城内に15か所設置されていて、
往時の様子を偲びながら散策できる国内初の試みである。。