千畳敷 [戻る]
コの字型土橋を抜けると、右に無名曲輪、左は千畳敷である。
千畳敷の虎口は大手道に面し、坂虎口と蔀土塁の組み合わせ
になっている。
虎口を上がると、曲輪の中は名前の通り広い平坦地である。
ただし、ここは戦後に畑として耕作されていたということで、
それ以前の土地の形状がそのままであるのかは疑問である。
曲輪は大きな長方形をしていて、大手道に面する南東側と
コの字型土橋に面する南西側には土塁が残っている。
北西は3段の腰曲輪を備えていて、その先へ弁天池跡であり、
北東は土橋と空堀、角馬出の組み合わせで、その先の二の丸
への侵入を封鎖している。
二の丸の外側に位置し、広い曲輪と弁天池を見下す眺望を
備えた千畳敷は、他所からの来客を接待したり、領民を招じる
場所という機能を果たしていたものと考えられる。
千畳敷南西に残る土塁の跡。
大手口から上がってくるのコの字型土橋が直角に折れて、
敵が横向きに一列縦隊になるところに横矢をかけていて、
土塁の上に上がると、その構造がよくわかる。
千畳敷の北西側の眺望。
足下に3段の腰曲輪が谷に向かって下っている。
谷底の雪が残っている平地は弁天池跡である。
谷の先、左に見える丸い山は山の神曲輪、右は本丸になる。
月の出た夜に、天空に設えた池を見下しながら酒を酌み交わす。
千畳敷は迎賓館として使われていたのかもしれない。