八王子の景色   初沢城跡(2)                     [戻る]


初沢城跡の主郭から東に伸びる尾根に残る出丸跡。
標高は低いが、東方から北方にかけての眺めがいい。
見張台としての機能があったのだろう。

出丸下には高尾天神社の境内となっている。
天神社の敷地は広い曲輪状になっているのだが、これが
曲輪を改変したものか、後世の整地かは不明である。
なお、天神社の敷地が造成されたために、出丸の腰曲輪
下の切岸が崩れてしまい、壁の崩壊が進む危険がある。















出丸跡は尾根の先端を削平した楕円形曲輪となっている。
矢倉や小屋などの建物があったものと思われる。
また、出丸の一段下には腰曲輪が巡らされている。

北から東への眺望があることから、この城は扇谷上杉軍が
居城として、北方の山内上杉氏に対する一拠点としていた
時代があったものと思われる。



















出丸跡東端の壁と腰曲輪。
出丸の壁は崩落していることから、腰曲輪はかなり広い幅
のものであったと考えられる。

初沢城跡はハイキング道の整備、紅葉台団地の造成、給水
施設の設置、自然崩壊等で、かつての姿が判りにくくなって
いるが、出丸跡は旧状やその役割がよく判る遺構である。