八幡宿の城山(7) -区切りの堀切- [戻る]
二郭の西に続く腰曲輪の先には、自然地形の谷が見られる。
谷からは、細いながらも清水が流れ出しているのがわかる。
この谷を八幡宿の城山の城内と城外を分ける区切りの堀切として利
用していたと考えられる。
また水場としても利用されていたのだろう。
20〜30年前、八幡宿の城山の崖線上に小道があったという。(現在
もその痕跡は残っている)
この近所にお住まいで、当時その小道を散策していた方は、「谷から
流れる水は水量が多く、水は川になって流れていた」という。
堤を築けば、この周囲を池や泥田とすることも可能な地形であるから、
そのような防衛上の工夫も考えられる。
写真の中央が堀切の谷戸で、その左が二郭の腰曲輪から二郭へ
と続いている。
谷からは、いまも水が流れ続けている。
流れ出した水は、溝を通って流れていく。
比高が下り、緩傾斜となっている二郭腰曲輪の弱点を補うために、
堤を築いて、ここを池や泥田とすることも可能な地形であるから、
そうした利用がされていたとも考えられる。