八王子の景色   八幡宿の城山(2) -主郭-                     [戻る]


八幡宿の城山は私有地であるために立入はできないが、この日はこの
近くに住んでいる方にお願いして、所有者の諒解のもとに見学をさせて
いただいた。
主郭北側は針葉樹などが茂っているが、大部分は刈り込まれている。
北側の針葉樹は北風を避けるための防風林になっているらしい。

主郭に立つと、北側に見下ろす住宅地との比高が結構あり、急峻な崖
の地形を利用して城郭を築いたことがよくわかる。
立木を伐採すれば大変見晴がいい場所であり、南に月夜峯、東に下原
刀匠照重(氏照の一字拝領)が鍛冶場を構える横川、北西には由井野
の原が広がり、その先には案下道が通っている。

八王子城下を通る街道の抑えとしては格好の地である。














主郭の東側に残る枡形虎口。

主郭には、現在住宅が建つ腰曲輪(写真奥は住宅の屋根)を南から東に
回り込んで枡形虎口を通過しなければ入ることができない。
また主郭と腰曲輪の間に横堀が入れられていた形跡も見えることから、
この規模の城郭にしては、防御に対する配慮を強く感じる。

なお、主郭の北側は急傾斜の崖で、敵の侵入を阻んでいる。


















主郭の西側の様子。

この背後に、堀切を挟んで二郭が続いている。