八王子の景色   八幡宿の城山(1) -概要-                     [戻る]


中田正光氏の著書「村人の城・戦国大名の城」(洋泉社歴史新書)に
紹介されている「八幡宿の城山」。

八王子城から北東に向かっている支尾根の一本は、諏訪街道(古案下
道)と相州古道との交差点辺が最先端になって終了する。その最先端に
も城郭が構築された。地元の人たちはこの山のことを「ジョウヤマ(城山)
と呼んでいる。
城山は今見る限りでは単郭になっている。当時は腰曲輪などもあったと
思われるが、住宅地となっているため判断できない。主郭の東側に虎口
を設けている。しっかりした枡形虎口となっている。主郭の西と南側は堀
がめぐり、堀の外側が第二郭になっている。明確な遺構は以上であり、
場所を示すために「八幡宿の城山」と仮称した。

(中田正光「村人の城・戦国大名の城」より)

写真は、八幡宿の城山を南東方向から遠望したもの。
中央の小山が城山で、中央に建つ家があるのが本丸の腰曲輪にあたり、
その背後の高みが本丸、家の少し左、わずかに木々が切れ込んだところ
に主郭と二郭とを分ける堀切がある。
後方に見えるのは、「キューピー山」の愛称を持つ大岳山と御前山。








                                           (中田正光「村人の城・戦国大名の城」洋泉社新書より転載)

                                                      なお、八幡宿の城山は私有地内にあるため、立入はできない。