八王子の景色   横地堤                             [戻る]


八王子城下の宗関寺に横地堤と呼ばれる遺構がある。
宗関寺は、戦国時代には現在地よりも八王子城に近い山中に
あり、現在宗関寺がある場所は、氏照の重臣・横地監物の屋敷
があったとされる。
この横地屋敷に築かれた土塁が横地堤である。

写真の手前の石垣部と道路の向こうのに続く斜面が、横地堤の
跡である。
現在は車道で分断されてしまっているが、往時はこの堤は繋が
ていて、高さも現在よりも高いものだったという。

八王子城に家臣が登城する「下の道」はこの横地堤で左に折れ
て、堤の下を進み、城山川に沿って八王子城に向かっていた。

(参考:生涯学習センター川口分館市民自由講座
椚 國男 『八王子の考古学90年』 資料 2010年6月)

左右に家臣屋敷が並ぶ登城道(下の道)は、横地堤に当たると左
に折れ、城山川に沿って城へ向かっていたのであり、この横地堤
は敵への正面攻撃と側面攻撃を兼ねた防御ラインだったのだ。





現在の車道は緩く屈曲しているため、「折れ」や「枡形」などを伴う
当時の登城道であるという誤解が多い。