八王子の景色   上の道                        [戻る]


八王子城主・北条氏照や上級家臣達の登城道であり、城外の
武将や使者が通行する大手道を「上の道」と呼ぶ。
この「上の道」の遺構から当時の姿を垣間見ることができる。

「上の道」の最大の特徴は道幅が約8mと広いこと。
戦国時代には道は幅1間あれば広い道であった。織田信長が
築城した安土城の大手道が幅約6mで群を抜いていたというの
だから、八王子城の大手道は常識外の規格であった。

「上の道」の遺構には栗の木が植えられているが、広い道幅は
きれいに残されている。
山の斜面を削平した広い道は、八王子城の大きさを予感させる
効果があったことだろう。
また、眼下に見下ろす重臣や家臣の屋敷群は、その効果をより
一層高めたに違いない。


上の道は私有地内にあるため通常は見学できません。







400年の間に崩落が進み傾斜は緩くなっているが、当時は垂直
に近い切岸であり、切岸上には監視の兵士がいたことだろう。

この先には防御台と仮称された防御施設がある。
大手道を緩く曲がった先に、突然目の前に現れる防御台。
このカーブは、そんな心理的効果も狙っていたのだろう。