八王子の景色   築城当時の石垣                [戻る]


曳橋を渡ると大手道は石垣で囲まれた虎口となる。
虎口の西詰には築城当時の石垣が残っている。

築城当時の石垣
この石垣は、土の中に400年間くずれずによく残っていたので、
検出したそのままの状態にしてあります。戦国時代の石積様式
を示す全国でも貴重なものです。
その特徴は、この城山山中から産出する砂岩を利用して、ひとつ
一つていねいに積み重ね、その隙間に小石を詰めて全体として
強固な石垣としていることです。また、石垣の勾配が急なこと、
石垣の裏側のたくさんの砕いた石を入れていることも特徴です。
(説明タイル板より)












説明タイル板の写真。
写真とスケッチ、そして上の写真を比べると理解しやすい。
上の写真で色の濃い部分が築城当時の石垣である。

この石垣は「野面積み」の「乱積み」という呼ばれる積み方。
野面積みとは石の表面を加工しない自然の石を用いる方法で、
江戸城の石垣のように四角く削り揃えた石ではない。

急峻な山城は、豪雨があると、溜まった水の水圧によって石垣
が崩れてしまう危険があった。
野面積みは石の間に隙間が多いため、溜まった水を排水する
機能があり、戦国時代の山城で使われた積み方である。

乱積みとは、石垣の水平面が揃っていない積み方を指す。
野面積みは見た目の華やかさはないものの、実用的で耐久性
のある積み方である。












上記の写真以外にも築城当時の石垣が残っている。
写真の大きな石に挟まれた小さな四角い石に赤く「41」と書か
れているが、検出の際に往時の姿で残っていた石に、このよう
に番号が書かれている。

注意して見ると、番号が書かれた石は各所にある。