八王子の景色   高丸                             [戻る]


柵門台からつづら折りの道を登りきると小さな平坦地がある。
そこには「
高丸 この先危険」の標識が立っている。

高丸との標識があるものの、高丸がどの区域を指す名称なのかは、
どうもはっきりとしていない。
私は、この小曲輪から北東へ下る尾根に段状に造成された一連の
曲輪群を高丸と呼んでおきたい。

心源院や北条氏照墓方面から尾根伝いに上がってくる道がある。
その道が、搦め手からの道と交差した先に急傾斜の壁が現れるが、
その壁を上がっていくと、この小曲輪にたどり着くことになる。

つまり、高丸は搦め手口から攻め寄せる敵と心源院方面から攻め
寄せる敵、下の道を攻め寄せる敵、柵門台方面からつづら折りの
道を攻め上がる敵など、北と東からの寄せ手に対する警戒を一手
に引き受ける役割を持っている。

高丸を突破されれば、山頂下の馬廻り道が見えてくる。
高丸は、山頂の要害部を守る最後の砦である。







数年前までは、この標識は無く、奥の木に下げられた「危険」の札
だけだった。

数多くの危険個所がある八王子城で、「
この先危険」という注意を
喚起しているのはここだけである。























標識の先からのぞき込むと、下方に削平された曲輪が見える。