八王子の景色   御主殿虎口                 [戻る]


曳橋から続く虎口は八王子城の中枢・御主殿への入口。
重要な場所であるだけに、様々な工夫がなされている。

御主殿虎口
城や曲輪の出入口は虎口と呼ばれ、防御と攻撃の拠点となるように
さまざまな工夫がこらしてあります。
御主殿の虎口は、木橋をわたった位置から御主殿内部まで高低差
約9mと「コ」の字形に折れ曲がった階段通路としていることが特徴で
す。
階段は全体で25段、踏面が平均約1m、蹴上が36cmで、約5mの
幅を持っています。途中の2ヶ所の踊り場とともに、前面に石が敷か
れているのは、八王子城独特のものです。
(説明タイル板より)














正面の太鼓曲輪尾根下を通過した大手道は、曳橋を渡り御主殿を回
り込むように折れて石段に入る。
踏み面の奥行が深く、蹴上の高さも高い石段は、現代の私達が上って
も歩きにくい。具足を付け武器を手にした兵には、相当な難所になる。

石段の途中には櫓門(写真中央の4つの礎石)が行く手を遮り、虎口
を回り込む間は、御主殿からの攻撃にさらされ続けることになる。

「見せる」要素と「防御する」要素を併せ持った御主殿虎口は、八王子
城の一番の見どころである。

八王子城に訪れた者に、『石垣で覆われた山城』という、当時の常識を
打ち破る様な城であることを見せつける。
それに加え、『当時最大幅(約8m)の大手道』、『長大な曳橋』、『峻険
な要害部』などを敢えて見せることにより、『見たこともないような要塞』
として脳裏に焼きつけたことだろう。











御主殿虎口の最終点となる御主殿の門。

現在復元されているのは冠木門だが、当時の姿はどのようであったか。