八王子の景色   古道(大手道)                        [戻る]


大手門を過ぎる大手道が緩い上り坂となって続く。
大手門のすぐ先には小さな堀切が設けられ、木橋が架かる。

現在の大手道は3〜4m程の道幅だが、当時は8m幅で曳橋手前ま
で続いていた。
山側は垂直に近い切岸となっていたのだろうが、崩壊してしまってい
るため、本来の道幅を確認することができない。


国指定史跡 八王子城跡
古道
戦国時代に御主殿へ入る道として使われていたと考えられています。
御主殿側の道は江戸時代に新たに作られた林道で、城山川をはさみ、
御主殿とは対岸にあるのがこの古道です。当時は、さらに下流の方へ
と続いていたと考えられます。
途中の木橋を架けてある場所は、敵方の攻撃を阻止するために掘削
された堀切です。
                             八王子市教育委員会

(八王子市教育委員会の説明板より)








大手道は左に曲げて、先を見せない工夫がされている。
このあたりから右を見ると、アシダ曲輪や金子曲輪が見え、山頂部
の曲輪群などをはるか上方に見ることができる。

左の写真では道幅が狭く見えるが、これは太鼓曲輪尾根側の山裾
が崩落してしまっているため。
ここも本来は8mの道幅があったのだ。

そしてさらに先に進むと御主殿が見えてくる。


















引橋が見えるようになると、大手道の道幅は急に狭くなる。
大手道から攻め込む敵の動きを抑える工夫である。
その先の引橋でも道は直角に折れているが、これも敵が一気に攻
め込むことができないようにした工夫である。

数年前までの私がそうだったが、何も知らずに歩いていればただの
ハイキングコースと復元された木橋でしかない。
だが、その意味を知るとまったく違ったものに見えてくる。