八王子の景色   中の曲輪の井戸跡                       [戻る]


中の曲輪に鎮座する八王子神社の社殿横に井戸跡がある。
危険防止のため井戸の上にはネットが掛かっている。

滝山城の本丸に残る井戸跡と比べると、その大きさは数分の1。
山頂要害部を支えるには心もとないと思うが、これを補うために
別に坎井を造ったのだろう。

井戸跡は目立たない場所にあため、存在は知られていない。
しかし、山城の遺構のひとつとして是非紹介して欲しいところ。

城主北条氏照もこの水を飲んでいたに違いない。












井戸を覗くと、今も水が溜まっているのが見える。
井戸の周囲は石積みになっているのも確認できる。

籠城戦の備えはもちろん、日常生活のためにも城には水の手が
無くてはならないものだが、それにしてもこの山上でこれほどの
水が出ることをどのゆにして知ったのだろうか。

天正18年の八王子城合戦は旧暦6月23日の真夏の盛り。
中の曲輪を守備していた中山勘解由や城兵達は、この井戸の水
で喉を潤して奮戦したと思うと、感慨深いものがある。