八王子の景色   御主殿跡(1)                 [戻る]


八王子城御主殿は八王子城主・北条氏照が政務を執る場所であり、
また日常の起居をする場として最も重要な場である。
深沢山(八王子城山)の山麓に築かれた広大な曲輪には数多くの
建物が立ち並び、壮観な光景であったに違いない。
当時の遺構は発掘調査によって確認されており、2013年4月14日
から「復元的展示」がされた御主殿跡が一般公開されている。

国指定史跡 八王子城跡
御主殿跡
御主殿跡は、落城後は徳川氏の直轄領、明治時代以降は国有林で
あったため、あまり人の手が入らず、落城当時の状態のままで保存
され、遺構の状態も良好でした。平成4年(一九九二)から二年間発
掘調査を行い、城主であった北条氏照が執務を行ったと考えられる。
大規模な礎石建物跡をはじめ、さまざまな遺構が発見されました。
調査の結果、氏照の生活の場は、ここからさらに奥に眠っていると思
われます。
また、中国の磁器類の破片や国産の陶器、鉄砲弾をはじめとする武器
・武具類などの遺物が発見されました。中には当時の武人のたしなみ
であった茶道具や、当時でも極めて珍しかったと思われるベネチア産
のレースガラス器の破片も含まれ、氏照の生活ぶりがうかがえます。
(八王子市教育委員会の説明板より






発掘調査によって確認された礎石などの遺構は、約60cmの土盛り
で埋められているが、土盛りの地表部に発掘の成果に従って礎石や
敷石、庭石、敷石通路、道路状遺構、塀跡、掘立建物跡などが再現
されている。
これまでの芝地だけの御主殿跡に比べると、当時の御主殿を想像
することできるという形の変わり、面白さは格段に違う。
なお、礎石の再現に使用された石は、八王子城近くの美山町の採石
場から調達した石を使用して、できるだけ当時の雰囲気に近づけると
いった配慮がなされている。


今回の復原的展示の目玉ともいえるのが「会所跡」の展示だろう。
床面だけではあるが、会所の建物の配置や大きさが実感できる。

写真手前が床面のみが復元的展示されていおる会所跡。
周囲には敷石状の遺構や石組水路遺構も展示されている。
があり、その途中には4段の石垣が築かれている。











4月14日の御主殿跡一般公開初日には、八王子市文化財課による
解説があった。
この日、一般公開の初日であることを知らず、所用のついでに偶々八
王子城を訪ねたら、文化財課の職員の方が『発掘された八王子城』
というカラー刷りの冊子を配布していた。

偶々立ち寄った八王子城の偶々立ち寄った時間が解説開始の少し
前という幸運ではあったが、次の所用もあり、解説は半分程だけ聞い
て御主殿を後にした。