八王子の景色   出羽山城跡(2) -虎口と第三郭-                     [戻る]


桜の花びらが散り敷く出羽山公園は出羽山城跡でもある。
城跡の北側に主郭があることから、南端の階段が虎口と推定される。

城郭遺構は、自然崩壊や公園化でほとんどが失われているのだろうが、
現況観察から往時を推定していくのが中世城郭歩きの楽しみである。

城跡は南北に長い長円形をしている。
南端に階段があり、山の上に上がって行けるようになっている。

ここが、出羽山城の虎口と考えられる。

















階段は途中で左に屈曲し、正面と側面を狙う枡形虎口の様相を見せる。
中世城郭によく見られる構造である。

左の高みは第三郭の全面にある小曲輪で、虎口を守備するためにある。
馬出的な機能を持っていたと考えればいいか。

階段の奥が第三郭になる。




















第二郭側から第三郭を見た様子。
右の遊歩道が階段に続く道。

左の遊歩道は第二郭と第三郭とを分ける堀切跡である。

第三郭は主郭や第二郭に比べ極端に小さいのが特徴であることから、
居住区というよりは、監視と防御が主な役割であったのだろう。