八王子の景色   下原刀匠山本外記記念碑                                           [戻る]


恩方の道を自転車で走っていると、民家の塀の奥に石碑が見えた。
塀からはかなりの距離があり、文字を読み取ることができない。
デジカメの10倍ズームで見ると、下原刀匠の記念碑と読めるので、
撮影し、パソコンで拡大して読みとった。

下原刀匠山本外記記念碑
此の地は下原刀匠山本外記の屋敷跡にて外記は山本内記康重から
元和癸亥年(一六二三)に除地を分ち与えられ分家独立せしものにし
て初代を外記康重と名乗り二代より利長と改名し三代四代利長五代
安貞六代利長と続き数々の作刀を残し其の名を止めたり
享保己亥年(一七一九)には時の江戸奉行より名匠とし徳川幕府に
推され大いに其の技量を認められ亦文政の頃の記録にも外記は代々
上手で有ると稱えられて居り然るに連綿と続きたる外記家も明治中期
に至り家系絶え遂に廃家と成りたるは誠に惜しむ可きことなり
之の名跡を永く世に伝えんと恩方地区下原刀匠保存会の同志相謀り
近隣有志の協賛を得この有縁の地に記念碑を建つ
願くは佛天の外記諸代の靈永遠に安らか成らんことを念し茲に之を
銘記し後代に残さんとす
   昭和五十一年四月              渕上 伝 撰文

(碑文より)






この地は下原刀匠の本家である内記康重家から分家した外記家が
下原刀を鍛えていた場所のようである。
分家したのは江戸時代の初期で、除地を与えられていることから、
徳川幕府の刀鍛冶として仕えていたのだろう。

外記家が絶えてしまったことから、近年になって記念碑を建立したが、
そこが民地であるためにこのような形になったものと思われる。