野猿峠の水飲み場 [戻る]
『野猿峠の水のみ場
野猿峠の頂上、バス停のわきにコンクリート製の大きな井戸の
ようなものがある。右上には野猿の姿が刻まれ、峠とのかかわり
をしのばせるが、今は枯葉とほこりにまみれ、だれも振り返って
見ることもない。
昭和の初め、由木と八王子の町中を結ぶ唯一の道であったこの
野猿峠は、狭く、かなりの急坂だった。峠をこえるには一息にとい
うわけにはいかず、人も馬も途中で休憩をとらねばならなかった。
つまり、この井戸のようなものは馬や牛の水飲み場であった。』
(東京都八王子市「ふるさと八王子」昭和55年 より)
今も野猿峠にこの水飲み場が残っている
左側の大きな四角い水ためは牛馬用で、右側には人が使うため
の丸くくぼんだ水ためがある。
水は、現在絹が丘団地になっている山の中腹から竹の管で運ば
れた清水だったという。
現在も、プラスチックの管が石垣から出ている。
「野猿峠」にちなんだ猿の親子のレリーフがある。