明治天皇小佛峠御小休所阯 [戻る]
小仏峠の茶店跡の傍らに背の高い碑が建っている。
碑には「明治天皇小佛峠御小休所阯及御野立所」とある。
明治天皇の御巡幸については、高橋源一郎氏の名著
「武蔵野歴史地理」にその様子が書かれている。
『明治十三年六月十七日明治天皇は山梨、三重、京都府等
御巡幸の途次、この峠を御越えなされた。この日陛下は
午前七時八王子駅を御発輦なされ、八時四十分小仏駅に
著し、鈴木藤左衛門の家に小休止し、是より板輿に召され、
九時四十五分峠に著し、当時此処にあった茶店武蔵屋
佐藤清兵衛方にて御輿のまま小休止なされ、十時十五分
御発輿なされた。』
(高橋源一郎「武蔵野歴史地理 第五冊」 昭和47年)
八王子〜上野原間を結ぶ官設鉄道中央東線の開業は
明治34年。
明治天皇が小仏峠を越えられてから、21年の歳月を要して
峠の下の隧道を機関車が走り抜けることになる。