八王子の景色   高楽寺横穴石仏群(1)                                  [戻る]


高楽寺横穴石仏群を拝観する機会を得た。
高楽寺の背後にある段丘に穿たれた横穴の中には、33体の
観音像などが納められている。

市指定史跡
高楽寺横穴石仏群
  所在地    八王子市狭間町一八六八番地
  指定年月日 昭和五十二年四月二十八日
この横穴石仏群は、天明の飢饉を憂い、時の住職了辨和尚が
五穀豊穣悪病平癒を祈念して天明四年(一七八四)から五年
かけて作ったといわれる。
横穴は、全長三十メートル余、「コ」の字型に掘削されており、
胎内めぐりを模している。
洞内には、観世音菩薩の誓願を表わす三十三体の尊像をはじ
め、薬師如来、不動明王、大黒天等の諸尊が安置されている。
なお、三十三観音の台座には、八王子近郊の造立者名が刻ま
れており、郷土資料をしても貴重である。
    昭和五十三年三月三十一日
                        八王子市教育委員会

(八王子市教育委員会の解説板より)








子供の頃に、この石窟によく出入りをしていた。
当時は、仏像などに興味はなく、石窟の中を走り回ったりして、
弟達と遊んでいたような記憶がある。
だが、崩落事故や盗難などの防止ということで、かなり前から
入口は施錠されて立入禁止となってしまっている。

入口は2か所あり、体を屈めて入らなければならないが、内部
は立って歩くのに充分な高さがあるため、圧迫感はない。
内部の通路はコの字型に近い形で一巡りできる様になっていて
一方の入口から入ると、もう一方の入口に通じている。

開錠していただいた北側の入口を入ると正面には石仏が納め
られている。
内部の壁や天井はきれいに掘られているのがわあかる。
手で掘り進めたというのが信じられないほどである。









通路を右に曲がると石仏群が現れる。
洞窟の中に如意輪観音や千手観音など様々な観音像が整然と並ぶ

地下の、不思議な、深淵な世界。
その神聖さに、思わず手を合わせてしまう。