北野石器時代住居跡 [戻る]
北野町の北野天満宮の社殿裏手に建つ動物園のオリのような奇妙な
建物は、石器時代の住居跡の移設展示の覆屋である。
市史跡 北野石器時代住居跡
所在地 八王子市北野町二八四番地
指定年月日 昭和三十一年三月三十日
この遺構は、約四千年前(BC二千年)の縄文時代後期の住居あとと
いわれています。
昭和十六年(一九四一)ここから約百米南の北野支所北西際あたり
(当時の由井第一小学校裏庭)で偶然発見されました。地表より約八十
センチメートルさがったところから扁平の川原石を敷きつめた長径約三・三
メートル、短径約二・九メートル、のほぼ円型で遺構の中央に約五×五セ
ンチメートルの方型の炉があり、かたわらに窪み石がおかれています。
住居の東隅に張出しが見られ、二本の石棒がおかれたように発見され注目
していましたが、ここに移動することがきまって市文化財保護委員会委員
等により再調査が行われ、さらに張出し部分は東に延長されしかも深くなっ
ていて、その下に埋甕が発見されました。
しかし、昭和三十八年の北野地区、区画整理事業に伴い急遽計画された
ため、東の張出し部分の移転は間に合いませんでした。
昭和五十六年三月三十一日 八王子市教育委員会
残念ながら、説明板にある「5×5センチの炉跡」も「その横の窪み石」も
「二本の石棒」もこの展示物ではよくわからない。
遺構上にプレートを置くとか、説明板に絵を入れるとかの工夫がないと、
何だかよくわからない石の羅列でしかない。
また、説明板の文章や漢字の使い方も教育委員会にしては稚拙なもの
である。
他の場所から移設するには、それなりの費用と労力をかけたはずである。
そうして展示をしているのだから、遺構の内容がよくわかるような方策を
考えるべきではなかろうか。
遺蹟としての評価や価値といった情報も是非知りたいところである。