成田山伝法院の石塀 [戻る]
八王子七福神で知られる成田山伝法院。
その境内の南側の道路沿いに面白い石塀がある。
石のひとつひとつを見ると、文字が刻まれていて、
近くに寄ると、それらは商店の屋号であることがわかる。
『明治四十一年に築造されたもので、積みあげた石は
伊豆の青石だとか。両面にそのころ栄えた商店などの
屋号が刻まれている。屋号の数、およそ七百。
昭和二十年の空襲で、本堂は焼け落ちたが、これだけ
は大した損傷もなく残った。』
(東京都八王子市『ふるさと八王子』より)
『黒沼 たび』、『尚文館』、『田嶋材木店』などの屋号を
読み取ることができる。
明治41年当時と言えば、100年以上も前のことだが、
この石塀に名を刻み、今もなお営業を続けている商店
の名もみることができる。
八王子の身近な文化財のひとつである。
一部は剥落しているが、全体に保存状態は良い。
石塀の他、境内の石燈籠にも商店名が刻まれている。