八王子の景色   煉瓦積み橋台(1)                                   [戻る]



高尾町と西浅川町の境界に架かる両界橋。
その両界橋の上に架かる中央本線のプレートガーダー橋の
橋台の一部に煉瓦が見られる。

高尾駅以西には、特に煉瓦構造物が多い。まず、国道20号
線と南浅川を跨ぐ下りのプレートガーダー橋の橋台(高尾側
のみ)がそうである。ただし原型ではなく、コンクリートで補強
されている。
(山田 俊明「多摩 幻の鉄道 廃線跡を行く」より)

両界橋の下は南浅川の景勝地「獅子淵」があり、煉瓦橋台に
近寄って見ることは難しいので、両界橋の上から眺めることに
なる。
煉瓦の両端に強度を高めるための隅石が積まれているのが
観察できるが、この隅石が本来の橋台の幅であったのだろう。

単線だった中央本線(建設時は甲武鉄道といった)が複線化
される際、上り線の増設とともに旧煉瓦橋台を取り込むように
コンクリートの橋台を設置したためにこの形になったのだ。

言われなければ気づかないが、身近な場所に残る鉄道遺産
のひとつである。