八王子の景色   煉瓦アーチ橋(3)                                            [戻る]



国道20号と中央本線が交差する両界橋の東に小さな煉瓦
アーチ橋がある。
アーチ橋の上は中央本線が通っていて、このアーチ橋は、
その先に建っている数件の民家や神社への通路であり、
また、上流から取水する用水を通す水路でもある。

「興味深いのは、その橋梁からほんの少し高尾駅寄りの
ところに、小さな煉瓦アーチ橋がある。
そのあたりは盛土区間で、煉瓦アーチの下は南浅川から
水を引いている用水路(蓋あり)と人道がくぐり抜けている。
この煉瓦アーチ橋は半円アーチ断面を採用しており、
径間は183cm(6フィート)、中央部の高さもそのぐらい
あり、大人が十分立って通行できる。アーチ部分は長手
積み(端部は3枚巻)、その他はイギリス積みとなっている
が、これは当時のアーチ構造物の典型的スタイルのよう
である。
(山田 俊明「多摩 幻の鉄道 廃線跡を行く」より)








煉瓦が真直ぐに積まれたアーチ橋の中を歩くと、何だか
不思議な感覚に陥る

トンネルの出口に向けて収斂していくきれいな煉瓦の線。
歩くのにも余裕があるトンネルの高さ。

煉瓦を積んだ職人の技に思いを馳せながら、ゆっくりと
歩いていきたい小径である。