煉瓦アーチ橋(1) [戻る]
小名路から小仏関所を抜けて、小仏峠へと向かう旧甲州街道
は現在もその道筋を残している。
小名路から旧甲州街道に入ると、その右手にはJR中央本線
の線路が、旧道に並行するように走っている。
旧道が日影沢との分岐を見送ると、その先でトンネルによって
線路と交錯して、ここから先は線路を左(南)に見下ろすように
進んでいく。
この旧甲州道を跨ぐのが、煉瓦で造られたアーチ橋である。
「小仏隧道の少し手前で、旧甲州街道と小仏川を跨ぐ橋梁
も煉瓦アーチ橋である。
アーチ部分は長手積み、それ以外はイギリス積みである。」
(山田 俊明「多摩 幻の鉄道 廃線跡を行く」より)
子供の頃、何度もこのトンネルをくぐり抜けていたはずだが、
トンネルそのものを鑑賞することはまったく無かった。
今しかし、あらためて見てみると美しい曲線を見せてくれる
レンガ積みであると感じる。
八王子にはレンガを用いた鉄道の構造物が数多く残っている
と前記の「多摩 幻の鉄道 廃線跡を行く」を読んで知った。
そのひとつがこのトンネルである。
トンネルの上部に鉄道が通っているため、列車と接触しない
ように電線はトンネルの両側にある電柱で力いっぱいに引っ
張られている。
道路と電線に加えて、浅川の流れも通しているのが面白い。