旧沖電気工業八王子事業所 [戻る]
沖電気は、東浅川町周辺では大きな存在だった。
敷地内に独身寮が何棟か建っていて、私の友達の両親が
その寮の管理人をしていたので、よく遊びにいったものだ。
敷地の西端(現在の東浅川小学校正門あたり)に受付があり、
受付のおじさんに友達の家に行くと伝えると、自転車に乗って
長く伸びた広いコンクリートの通路をゆっくりと下っていく。
右には工場棟が並び、左は泥のサッカーグラウンド。
そこに置いてあったサッカーボールの重さに驚いたのを今も
覚えている。
金網の隙間をこっそりと潜って、敷地の中にある粘土を取り
に行ったこともあった。
沖電気の電子デバイス部門の譲渡により、ラピスコンダクタ
と名を変えたが、この工場も長い役割を終えたらしい。
数々の問題をかかえていた会社でもあったが、どれほどの
人がこの場所で働いてきたのだろうか。
解体される建物を見ていると悲しい気持ちになる。