八王子の景色   沙羅樹                             [戻る]


元横山町の妙薬寺は八幡八雲神社とともに横山党の根拠地
といわれている。

この妙薬寺の本堂の前に白い花を咲かせる1本の樹があるが、
花を咲かせるのは、初夏の数日間だけと限られているために
なかなか花を咲かせている姿を撮影できなかったが、今年は
漸くカメラに収めることができた。

樹の下にある石塔にはこのように書かれている。

沙羅樹
釈尊中印度マツラー国クシナガラの沙羅樹の下で八十才にて
御入滅なされしと伝う


樹や花を見ると、ナツツバキとも呼ばれるシャラノキと思われる。
「シャラ」とは「沙羅」であったのか。











「沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす」と平家物語。

白い花の色が、「驕れる者も久しからず 猛き者も遂には滅びぬ」
を表現するとは、どう解釈するのだろうか。

「赤の平家」が「白の源氏」に滅ぼされる運命にあったのか。

或いは、驕り高ぶる者もいずれ凋落して原点に帰るということか。

初夏の緑の葉を背景に咲く白い花は、純粋な美しさを見せる。