大夫坂 [戻る]
武蔵陵墓地の中に古道が通っていて、そこに「大夫坂」という
名が残っていると聞いていた。
だが、その古道は陵墓地内にあるために立入することができず
見ることもできないと思っていた。
先日、古街道研究家の宮田太郎氏の『歴史古道探索ウォーク
”鎌倉古道&刀鍛冶の里”を歩く』に参加する機会があった。
高尾駅付近から鎌倉街道山の道を辿ったのだが、思いがけず
大夫坂を知ることができた。
大夫坂
前にいう相州古道の坂なり。習合神道を業として古くこの村に
住する者の辺の坂ゆえ、斯くは号する由。この辺に四軒あり。
(植田孟縉著 片山廸夫校訂『武蔵名勝図会』)
大夫坂の名の由来は諸説あって、定かではない。
開発によって宅地化され、古道が失われた例は数多い。
多摩御陵造営によって往還としての機能は失われたが、道筋が
残されたことはよかったといえる。
浅い掘割り状の坂道は梶原八幡神社方面へと続く。