八王子の景色   恋路坂                                                     [戻る]


館ヶ丘団地の西側を通る町田街道が南に向かう登り坂。
この坂を「恋路坂」と呼ぶ。

恋路坂
館町と町田市相原町の境にある坂。210m。
風土記稿の館村の項に「古の鎌倉街道とて一条の往来あり」と出、
武蔵図会には「秩父、高麗辺より相州鎌倉又は小田原などへの
古往還なり」とある。横山道とも呼ばれた。いま町田街道が越えて
いる。越地の坂あるいは越路坂の転か。

(インターネットサイト「Web八王子事典」より)

千人同心の娘と奉公人の道ならぬ悲恋の話からから「恋路坂」の
名が付いたというがそれは伝説にすぎないようだ。

この坂道を南に行くと丘陵の尾根を越えていく。
この尾根は分水嶺であり、未確認だがかつては武蔵と相模の国境
であったのではないだろうか。
国境の尾根を越えるから「越路の坂」というのもうなずける。

古街道研究家の宮田太郎氏は、国府と国府を結ぶ道であることから、
「国府路(こうろ)」が転訛して「こうじ」となり、「こいじ」になったとの説
といわれる。その可能性も考えられるだろう。





秋色に染まる恋路坂。

団地の建設や道路の拡張工事によって、昔の往還の面影はほとんど
失われているが、クルマの往来が途切れると静けさをを取り戻す。