八王子の景色   尾根緑道                                                              [戻る]


春、桜前線のニュースを聞くと、気になるのがこの尾根緑道。
富士森公園や滝山城跡など、桜の名所は市内に数多くあるが、あまり有名ではなく、
クルマや花見客の喧騒とはかけ離れた、静かな散策の道である。
ほとんどの部分は八王子市と町田市の境界にあるが、京王線多摩境駅周辺は町田
市域にあり、そのためか緑道全体は町田市が管理している。
展望台からは丹沢山塊がパノラマのように望め、緑に囲まれた散策路から小山内裏
公園へ下り、南大沢駅へ抜けるコースも面白い。

尾根緑道の歴史(戦車道路の由来)
この尾根緑道は、以前「戦車道路」と呼ばれていました。
それは、この道が第二次世界大戦の末期、相模陸軍造兵廠で製造された戦車の性能
テストと操縦訓練用の道路(全長約八キロメートル)として造られたものだからです。
戦後しばらくの間、防衛庁が同様な目的でここを使用していましたが、多摩ニュータウ
ンの整備のため、土砂の運搬道路として舗装されました。
その後、富士山や丹沢の山々を一望できろ景観豊かなこの土地に市民のみなさまが
楽しむことができるような整備を進めてきました。
今では、春は桜、秋には紅葉と四季折々に散策やハイキングなどに大いに利用されて
います。
このように、この地はかつての戦車道路という「戦争の遺産」から現在は「市民の憩い
の場」へと大きく生まれ変わりました。
    平成十六年(二〇〇四)四月
                                      町田市