八王子の景色   真覚寺の湧水と蛙合戦の旧地                       [戻る]


真覚寺の庭にある石塔の下から水が流れ出している。
豊富な水量は四角い石の器に溜められて、そこから方向を変え
下流へ流れていく。

下流には湧水が溜められた大きな池がある。
昔は「蛙合戦」で知られた真覚寺の心字池だが、周囲の宅地化
が進んだいまでは境内を賑わしていたヒキガエルの姿は見られ
なくなり、池の中には鯉が泳ぐばかりである。

真覚寺の蛙合戦はどんなものだったのか、実際に見て、聞いて
みたかったが、今となっては想像することしかできないのが残念
に思う。

蛙合戦は見られなくなったが、湧水は今も絶えず流れている。


















市指定旧跡
真覚寺蛙合戦の旧地
所在地 八王子市散田町五丁目三六番地一〇
指定年月日 昭和三十七年二月二十七日 市指定天然記念物
         平成十六年市指定旧跡に種別変更
蛙合戦とは産卵のために池に集まった雌蛙を求めて、たくさんの
雄蛙が争う様子を表したものである。この真覚寺境内には延享二
年(一七四五)の芭蕉塚の碑があり、安政年間(一八五四〜一八
六〇)の「五街道細見」には「芭蕉の蛙塚があり甲州街道の名所」
と記載されている。
太平洋戦争前には、万を数えるほどのヒキガエルがいたといわれ
ているが、昭和四〇年代中ごろからの宅地開発によりカエルの数
は減り、最近では数匹だけとなり、蛙合戦の様は見られない。
そこで、平成十六年十月八日に「市指定天然記念物」から「市指定
旧跡」へ改めた。
   平成十七年三月三十一日
                           八王子市教育委員会

(八王子市教育委員会の説明板より)